モチベーションを支える報酬戦略・給与改革
『報酬・給与改革は、人件費の抑制に目が奪われ、人材のモチベーションや組織の生産性が損なわれている現実がある』と
NTTデータ経営研究所の
人事コンサルティングチームの田添氏は指摘する。同氏にモチベーションを支える報酬戦略・給与改革について聞いた。
成果によってメリハリをつける成果主義は社員のモチベーションに繋がりますか?
- 給与などの制度や仕組みを変えることでモチベーションを直接高めることは、一般的には難しいといえます。この10年間の歴史的な結論からでも証明されています。
- しかし、自社に必要なモチベーションの中身をよく検討し、それを「支える」ような仕組み作りは可能です。またやらなければならないでしょう。
モチベーションを支えるとはどういうことでしょうか?
- まず「邪魔(阻害)しない」こと、
- 次に大きな不満を発生させないこと、
- そして、会社の人材マネジメントポリシーをメッセージとして明確に表明することです。
なぜ、日本的給与制度は力を失ったのでしょうか?
- 従来型の広い意味での「年功型給与」が、現在の経営環境にそぐわなくなっている最大のポイントは、毎年「積み上げる」形での給与改定方式が、経営的なメッセージを社員に伝える機能が弱体化していること。
- つまり、年功型の給与では、経営のメッセージが伝えられなくなっているのです。
人材マネジメントから見た現在的なビジネスの特徴とは?
- 現代のビジネスは、顧客にはっきりと結論を伝えることで顧客が満足を得るということです。
しかもその短時間の満足を積み重ねて信頼関係を強化することに、大きなポイントがあります。
こうしたビジネスプロセスの実現が、プロフェッショナルの必要条件なのです。
プロフェッショナルにふさわしい報酬形態とは何でしょうか?
- それは、決して毎年、細かく刻んで「報酬を少しずつ積み上げること」ではありません。
- 人材価値にふさわしい金額を総額ベースではっきりと示し、すぐに支給することなのです。
- そして、人材価値(※即ちビジネス価値)への企業としてのメッセージを明示することなのです。
成果主義の混迷状況を乗り越えること
- 以上のような「メッセージとしての報酬制度」を実現し運用する中にこそ、モチベーションの問題を巡って混迷を続ける成果主義を乗り越え、日本企業がその特性に見合った人事戦略を再建していく、大きな鍵があります。