適格退職年金から中小企業退職金共済制度への移行累計2249社に
2003/12/28
勤労者退職金共済機構によれば、2002年4月から施行されている適格退職年金から中小企業退職金共済制度(中退共)への移行申出件数が03年9月末累計で2249社、従業員ベースで57,000人となった。
02年度合計で1,215社に対し、03年度は上期だけで1,034社と移行のペースが上がった形。
中小企業庁が03年1月に行った調査によれば、2012年3月末で廃止が決まっている「適格退職年金からの移行先としてふさわしい制度」は「中退共」とする回答が42.3%に達している。
確定拠出年金、確定給付型企業年金やキャッシュバランスプランなど選択肢は拡がるものの、中小企業にとって現行の退職金制度からの移行には、高いハードルと多くの障害が存在あるように見受けられる中で、比較的移行しやすい制度として中退共が注目されている。
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確定拠出年金とは? |
企業年金制度の一つ。年金支給額を決めるのではなく、保険料を定め積み立ててその運用実績により支給される年金額が決定する仕組みの年金。2001年に確定拠出年金法が制定されスタートした。日本版 401k。DC 年金。
年金運用商品として元本確保商品を含む預貯金,公社債,投資信託,保険など三つ以上の選択肢が提示され運用する。
加入者が運用リスクを負うが、運用商品の変更や転職時に転職先に年金資産を移せるなどの特徴がある。
保険料を雇用企業が負担する企業型と企業に同制度がない場合や自営業者など加入者個人が負担する個人型がある。公務員と専業主婦の加入は認められていない |
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確定給付型年金とは? |
将来の年金支給額をあらかじめ決定し、運用予定利回りを前提に保険料を定める年金の仕組み。
将来の年金額が報酬や勤続年数などで予め定められ、その年金給付に必要な保険料を数理計算に基づいて算出し、一定のルールに従い積み立てていく制度。
確定拠出型年金に対しこれまで企業年金などが取ってきた方式。
運用環境の悪化で積立金に不足が生じた場合は、企業側が不足額を負担するリスクがある。 |
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キャッシュバランスプランとは? |
アメリカの混合型年金の一つ。従業員ごとに仮想の個人口座を設け、そこに企業が拠出する一定額(従業員の年収に対する一定比率の額)を加算していくとともにあらかじめ定められた基準による利息を定期的に付与し、口座上の元利合計の積み立て総額により年金給付額を決定する仕組みの年金制度。
利息付与の利率は市場金利に連動し,これにより将来の給付額も変動する。実際の年金資産を形成する掛け金は原則として企業が全額拠出し、資産の積み立て・運用・管理も企業が一括で行う。
運用リスクは企業に帰属。確定給付型をベースにするが、個人別口座の採用やポータビリティーに優れるなど確定拠出型の特徴もあわせもつ。 |
一方、中退共への移行について問題があることも知っておこう。
具体的に指摘されるのは、掛金が定額制である点と掛金の減額手続きが煩雑な点である。
たとえば個人の成果を退職金に反映させるためのポイント制退職金制度を事実上導入できない。
特に掛金の減額には個別に本人同意書が必要であるため、実務的に困難である。
退職金の給付の面でも問題を指摘される。中退共制度は相互扶助的な要素があり、長期加入者に厚い給付制度である。したがって、短期間で退職した者に対する退職金は元本割れを起こす。
(中退共より)
「掛金の納付月数が11ヶ月以下の場合、退職金は支給されない。12ヶ月以上23ヶ月以下の場合は掛金納付総額を下回る額になる。24ヶ月以上42ヶ月以下では掛金相当額となり、43ヶ月からは運用利息が加算され、長期加入者ほど有利になる。」
また適格退職年金から中退共への移行にあたって留意すべき点もある。
まず個人ごとに移換できる資産は中退共の掛金として定めた額の120ヶ月分が限度とされている。
したがってこれを上回る年金資産がある場合で従業員に返還すると一時所得扱いとなり金額によっては課税対象になる。
適格退職年金からの移行の場合は、掛金に対する国からの助成は受けられない。
また適格退職年金からの移行は新規に中退共に加入する場合に限られている。中退共と適格退職年金を併用している企業は移行できないのだ。
役員は確定拠出年金は加入可能であるが、兼務役員を除いて適格退職年金と同様に中退共でも加入できないことにも注意が必要。
自社がかかえる年金・退職金制度をどうするか、いまだ模索中の企業が多いが適格退職年金廃止はすでに決まっている。
メインプレイヤーの大手生保の動きが見えないが、積極的に情報を収集する姿勢が経営には求められている。
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