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| 雑誌「月刊BOSS(ボス)」とは、上昇志向を持ったビジネスマンにおくる「人」にフォーカスした平成のサクセスマガジンです。今回はその編集長である関慎夫さんをお招きしました。日頃から幅広いジャンルの社長や、経営陣にお会いする機会の多い編集者の視点から、就職活動中の学生に向けて、会社の一員として社長と働くとはどういうことなのかを語っていただきました。 |
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社長に魅力を感じるのは、あのかっこよさです。例えば、見た目と言う部分なら、もうお亡くなりになりましたけど、ソニーの盛田昭夫さんなんてダンディーで非常にかっこよかった。それに加えて、ビジョンを語れる姿にはとても魅力がありました。
将来に対して自分が何をするべきか、会社をどうしたいか、社員をどうやっていきたいかをきちんと語れて、かつ自分の夢だけじゃなくて、社員の夢も含めて熱っぽく説ける人っていうのは、非常に魅力があると思います。
就職活動中って、社長と接点を持てる1つのチャンスです。社会に出ると社長と接点を持つ機会も少なくなるので、入社の意思とは別にして、出来るだけ説明会や面接に参加して、色々な社長と会って確かめてみるとその魅力が分かってくると思います。
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僕らが取材先として決めるところは、前提に「この人面白そうだな」という動機があります。
その会社が伸びているからというのもあるけれど「面白そうな人だから会ってみよう」という非常に独善的な興味から取材を申し込みます。
それで、実際に取材に行くと「あぁ、思ったとおりじゃなかった」と失敗することもあります。だけど、損をしたということはありません。基本的に「人」に興味を持って会いに行くので、皆さん何かしらの魅力があります。もし損をしたと思ったら、それは自分に問題がないか考えてみます。
僕がまだ新人の頃、ある社長に会って「つまんない社長でした」と上司に報告したところ、上司から「それはお前がつまらないんだろう」と言われたことを今でも覚えています。ある程度の大きな会社の社長が、面白くないなんてありえない、だったら社長なんてなれるわけないんだと教わりました。社長になる人間っていうのは、自分一人で判断しなければいけないことや、会社の危機を乗り越えなければいけないので、沢山の修羅場を経験する。そんな人間を面白いと思えないのは、自分の質問の仕方が悪かったとか、魅力を引き出せなかったことを問題として、振り返ってみてもおかしくない思います。 |
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全然違いますよ。社長になる人間に求められる資質は、時代によって大きく変化しています。例えば、高度経済成長期の頃は、世の中全体が大きくなろうとしていたから、調整型の社長が求められました。自分が先頭に立って引っ張るタイプよりも、御輿の上に乗って全体の調和をとれる人が好まれた時代でした。
ところが、バブル崩壊後の90年代後半頃から、世の中の動きが見えにくくなり、その動きを見ようとする、企画の人間が社長になりだした。もともと僕は、電機メーカーの社長などを取材した誌面を担当していたからよくわかるけれど、その頃から世の中全体に、企画の人間がとても増えたように感じています。東芝でも日立でもソニーでも松下でも、技術屋よりも企画畑の人間が社長に就任するケースが多くなってきた。先が見えなくなったので、技術屋みたいに技術ばかり追いかけている視野の狭い人より、先の動きを見ようとする人が持て囃された時代でした。
今から考えると、それが良い結果を生んだかどうかは疑問ですけど、ただ、そうい風に時代によって、社長になる人間に求められる資質は確実に変化してきてますね。
それから、もう一つの動きを紹介すると、IRってことに企業が注力し始めたことで、株主の存在を非常に大事にするようになりました。その結果、一人一人の投資家に対して、きちんとメッセージを発信できる社長でなければ務まらなくなり、ビジョンを掲げない言葉数の少ない経営者は、投資家から評価されない時代にもなってきてますね。 |
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優秀な社長っていうのは、
会社の成長を抑制してしまう要素を取り除くことが上手い人ですね。例えば、人間関係などのしがらみや、外務からくるリスク要因を、1つずつ取り除き、解消する役割を果たせる人です。
基本的に社員ていうのは、皆それぞれに上昇志向を持っていて、会社の成長に繋がる「こうしたらいいのに」ってアイディアを沢山持っているのに、なんらかのしがらみを抱えている会社は、内部でそれに蓋をして、自ら成長できないようにしてしまいます。
また、社長というより会社を見れば分かることもあります。それは、社長が自分の意思を会社全体に浸透させることに成功しているという観点からですけど。
よく家庭でも、この家はしつけができているかを見るには、玄関を見れば分かると言いますけど、それと同じように、勢いのある会社、伸びている会社はやはり、入り口や受付から雰囲気が違います。お店なんかに入ってみても、この店は流行っていると感じるところには、売り場の活気みたいなものが伝わってくるけど、それと似ていて、良い時の会社は本当に活気があるのに、衰退している会社は行ってもやはり沈んでいます。先入観かもしれませんけど、そういう時は電球まで暗いと感じたりします。
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それには、小学校でいう校長先生と、大学でいう学長の違いをイメージすると分かりやすいかもしれません。中小規模の会社の社長は、小学校の校長先生に似ていて、毎週姿を見かけるしその言葉を直接聴くし、名前も覚えてくれます。一方、大企業の社長は、大学の学長のように、行事のとき意外は殆ど見かけなくなり、接点が少なくなります。
何万人規模の大企業では、社長が全社員に直接、言葉を交わすことは難しくなります。そのため、発言の機会を多くして、常にメッセージを発信し続けていくことが大事になってきます。なにも言葉を伝えないでいると、間にいくつも障壁ができて風通しが悪くなります。言葉を伝達する手段は、マスコミを通じてでも良いし、社内報知でもなんでも良いから、徹底して伝え続けていくことが必要になってきます。
反対に、何百人かの小規模の会社だと、その心配は軽減します。自分の発言したメッセージが全社員にダイレクトに届くし、社内からの声もダイレクトに汲み上げることができるから、大企業に比べてレスポンスが良くなります。だから、人によっては何百人規模の社長が一番面白いって言う意見もあるぐらいです。下手に大きくするよりも、そのぐらいの規模でやっていたほうが、自分のやりたいことができるし、もし駄目なら直ぐに修正もきくので、組織として非常に居心地が良いようです。
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| 女性で起業して社長をしている人は、起業するきっかけを身近なところに見つける場合が多いと聞きます。不便だなと思うことをちょっと変えたら上手くいった。それならこれで会社を創ろうかとなる。
逆に、男性の社長の場合は「こういうのやらなきゃいけない」とか、「大きくしなければいけない」みたいな発想があると思います。
男性社長の例でいうと、今度、携帯電話の事業に参入するイー・アクセスの会長、千本倖生さんなんかは面白い人です。電電公社にいたとき、通信の自由化でNTTができて、他の通信会社が参入するタイミングに、「ライバルを作らなければ通信業界は良くならない」といって、NTTに居ながら今のKDDIを京セラの稲盛和夫さんと一緒に創ったりしている。
その千本倖生さんの話に、「人間誰でもはじめは50の力があって、目の前に川があればそれをポンと飛び越えた瞬間、その力は80とか100になるのに、ほとんどの人は簡単に飛び越えられる川でも飛び越えようとしない。だから、はじめ50あった力も、だんだん減って身動きできなくなる。」というのがあって、この話を参考に、女性の社長は、起業するきっかけを身近なところに発見するという点と合わせて考えると、起業までのハードルを簡単に飛び越えることができるのは、案外女性が多いといえるかもしれないことです。
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| 一致することは多いですね。けれど、それは必ずしも社長だけの力とは言えないこともありますよ。
例えば、ホンダの創業者である本田宗一郎さんを考えてみると、彼は人をひきつける魅力を持っていましたが、彼しかいなかったらホンダは間違いなく潰れていたと思うんです。ところが、副社長を務めた藤沢武夫さんが、財務面とか経営面で補佐をしたことで、本田宗一郎さんの夢が、実際の形になっていくんです。
本田宗一郎さんは、会社ではなくて研究所にいることが好きな人でした。早い車を作りたい、いいエンジンを作りたいという夢を最後まで追求したかったんですね。しかし、それだけでは会社として成り立たない。そのため、会社のことを全部面倒見た藤沢武夫さんの存在は、ホンダにとって、重要な役割だったと言えるのです。
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| 難しいけど、リクルーターの人達が一番楽しそうに仕事をやっているかどうかが大事だと思います。
リクルーターだからいいことしか言わないこともあるけれど、文句を言いながらでも楽しそうに社員が働いている会社って良いと思いませんか。自分が本当にその会社が好きだったり楽しかったりしたら、悪口言ったって楽しい悪口になるじゃないですか。「うちの会社しょうがないのだよ」とか言いながらでも楽しいっていう、そういう会社を見つけると良いと思います。逆に、悪口とかも言えない会社は統制されているみたいで居心地がわるいですよ。きっと。
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一度でも社会に出たことのある人ならこんな社長がいいということはわかるけど、その経験がない学生には極めて難しいと実は思っています。
だから、就職活動を通して色々な人と会っていくことで「どういう人が好きなのか」見極めるべく数をこなすことではないかと思います。
家を決めるわけではないけれど、いくつか物件を見て決めても、3、4年後は駄目になる会社もあるので、注意深く見定めてください。
ただ、会うのは楽しいことであるし、学べることも多いので、何かしら自分にプラスになりますよ。
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| それは、やっぱり自分が何をしたいのかはっきりさせることだと思いますね。
鍛えてくれる社長のもとにいきたいとか、家庭的な雰囲気でのんびりした会社がいいとかは、トップの意思が反映するものだから、会って話をすることで、ある程度ミスマッチは防げると思います。鍛えてもらいたいと思って入ったらすごくのんびりしていたとか、独立しようと思ったけれど、結局勉強にならなくて、居心地はいいけど何も身につかないとかってことは実際にありますからね。
それでも、活動できる時期は限られているので、 考えるだけではなく、行動しながら自分が何をしたいのかを発見していくやり方で、うまくいくと思いますよ。健闘を祈ります。
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| ◆編集部より |
今回は、関編集長に弊社までお越しいただき、取材をする運びになりました。そして、自己紹介のときに、関編集長より今月号の雑誌「月刊BOSS」をプレゼントしてくださいました。ありがとうございました。
印象深かったことは、今回のテーマ、会社の一員として社長と働くとはどういうことなのかを、常に学生視点で、分かりやすい言葉に変換して語っていただけたことです。会社組織とはなにか、社長と社員のよりよい関係とはなにかなど、改めて考えてみる良い機会になりました。
就職活動中は、色々な会社を見てまわる機会が増えてきます。会社の空気を肌で感じながら、自分に会った一社をこれから見つけていくわけですが、そんな時、会社を代表する社長の魅力も1つの判断材料に加えてみてはいかかでしょうか?
そうすると、会社の雰囲気が自分に会っているのかも見えてくるし、入社後のモチベーションアップやミスマッチを防ぐことにもなると思いました。
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