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 今回は、生命保険業界への転職について、業界経験の豊富なアイ・プロジェクト株式会社(大久保 雅行 代表取締役)に業界全体について、また転職を成功させるポイントについて伺いました。

 アイ・プロジェクトは、首都圏で事業を展開する人材紹介エージェントです。営業職、管理系(経理・財務・法務・人事 他)のお仕事を中心としながら、求職者様各個人のご希望を丁寧に確認し、それに沿うよう、様々な職種のお仕事をご案内されております。


Q1.前職のご経験を教えてください。

 1993年からフルコミッションでの生保営業を2年ほど経験して、その後、管理職として2006年まで営業所のリクルート(人材採用、教育)業務に携わりました。
例年、年間で3〜5名前後の人材採用をしていました。現職で活躍されている方であっても「転職をしたい」と漠然に考えている方が多かったのは意外でした。ただ、転職まで踏み切る人は稀でしたが(笑)。

 転職に踏み切れない方は、心のどこかで、「今より良い仕事はないだろう」と決めつけてしまっているケースが多かったですね。

 

 

 

前職のご経験を教えてください。

●リクルートのご経験をいかしたかったと言う事ですか。

 そうですね。リクルートして人と会って、その人がどういう仕事をしてきたのかなと言う事を見る所が人材紹介と似ていると思ったんです。それまでもフルコミッションで働いていましたが、「自分でやる」ということについて、どこまでやれるのかを見てみたいという考えがありましたので、起業を決意しました。

 前職では採用側の業務であったのですが、実際に起業をし、求職者を企業に紹介する側として求職者の一人一人と膝を交え、「人柄」「キャリア」「人生観」などに触れるにつれ、人材紹介コンサルタントという仕事の深さを実感しています。

 また、過去のキャリアを活かすことは、経験がある業務内容の延長上だけではないことを気付かせてあげることも私の仕事であると思います。近視眼的に可能性を絞り込む方法で仕事を決めてしまうと、結果、自らの可能性を狭めてしまう。第三者の俯瞰的なアドバイスにより、求職者の可能性が広がり、転職が成功した場合は、紹介コンサルタント冥利に尽きますね。

 

Q2.得意とする職種は?

 営業職はもちろんですが、管理系も多いですね。経理、財務、人事、総務などが多いです。さらにそれ以外の案件も、たとえば店舗マネージャーですとか、人事でも教育に特化したポジションなど、求職者の方のご希望に合わせて案内しています。

 

Q3.保険会社の入社からの流れを教えてください。

保険会社の入社からの流れを教えてください。  生命保険は結構試験が多いので、入社すると1ヶ月間は売り方や商品について勉強していきます。生保の場合、まず一般試験という試験を受けないと営業できないので、そこからですね。一般の後は応用試験、専門試験と続きます。その後、「生命保険大学」という6科目の試験を受けます。それに受かったら、ファイナンシャルプランナーを受験・取得します。ここまでで約2年間ですね。

 最初の2年間は固定給が発生します。段階を踏んで固定給は減って行きますが、この2年間での手数料(コミッション)が積み上がって行きますので、収入は増えていくようなシステムになっています。つまり、2年間経ったところが一つの区切りになります。

 その後は社内の資格を取って行きます。会社によって呼

び名は違いますが、ライフプランナーから始まって、スペシャルライフプランナー、シニアライフプランナーなどになって、最後はエグゼクティブライフプランナー、といったように。資格によって、広告費が支給されたり、個室があてがわれたりといった待遇面が変わります。資格の基準は通常は保有件数と保有手数料ですね。
 2年以上経つと、売上によってボーナスが発生する仕組みになっています。

 

Q4.保険の仕事の面白さを一言で言うと?

 皆さん、保険というと「個人向けの保険」を想像するかと思いますが、それとは別に、会社のオーナーや社員さんを対象とした、契約者が企業になる保険があります。これが実は面白い…。
 企業保険の場合、企業のオーナーさんとお話しできますし、個人なら月額の料金が平均2〜3万円のところが、企業だと月額で何百万とか、年間で何千万なんていうのがあります。また、企業全体の保険が決まると、さらにその先が見えてきます。たとえば、社員の福利厚生として案内することができます。「社員の皆さんが個人で高い保険料払っているんでしたら、落とすことができるかもしれません。ですから、組合を通してみなさんの窓口を作りますので、私にやらせてください」と言う事ができるんです。

  もちろん入社当初は個人向けの保険からスタートしますが、企業保険を扱うようになると、さらに醍醐味が出てくる。そこからが保険営業の面白みだと思いますね。

 もう1つ、面白さ、とは違うのですが、当時の私のお客様で、癌で亡くなった男性がいまして、その方の奥様が「大久保さんに言われて保険を変えてよかった」とおっしゃったときは本当に嬉しかったですね。「入院費とかも大変だったんだけど、入っていて良かった」と。生命保険金を届けるなんて事は滅多にないのですが、そういう時に、この仕事の重みを感じると言うか、すごい仕事なんだなと思いましたね。

 

保険の仕事の面白さを一言で言うと?

Q5.平均年収はどのくらいですか?

 平均を取るのは難しいのですが、だいたい、最初の2年の終了時点で約500万円前後の人が一番多かったですね。その後、先程述べた「ボーナス」が入るので急激に増えて行きます。

 その先は道が分かれます。ライフプランナー(営業)を極めるのが一方のライン。もう一つ、そういった営業の人材を集めるものとして、営業所長、支社長のラインがあります。営業所長には誰でもなれるのか、というとそうではなくて、ライフプランナーとして、ある程度の基準をクリアしている必要があります。逆に言えば、基準をクリアしていれば良いので、例えば、エグゼクティブプランナーから営業所長になる場合もあります。支社長は営業所長の経験が必要になりますので、営業職からすぐにはなれませんね。

 この2つのラインで最終的に収入が違うのかと言うと、そうでもない。支社長がちゃんと人を採用して、育成していけば、収入的にはエグゼクティブとかわらない位になります。私が所長だった時に、29人、営業所にいた事がありましたが、その時はすごい収入でしたよ(笑)。具体的に言うと、今はどちらも最高で5000万円位は行くと思います。

 

●ラインが分かれるポイントは?

 支社長が営業に声をかけて、営業所長になるケースが多いですね。もちろん、基準を達していれば、自分から希望する事もできます。

 

Q6.実際に働く上での、生保と損保の違いを教えてください。

実際に働く上での、生保と損保の違いを教えてください。

 物には「購買サイクル」というものがあります。たとえば車でも、5〜6年たって古くなってくると、「新しい車に代えたい」という欲求が出てきて、「じゃあ買おう」という意識が出てきます。これが購買サイクルです。損保も1年経つと更新になるので、そのたびにニーズが出てきます。しかし、世の中にある商品の中で、唯一、生保には購買サイクルがありません。終身保険なんかは特にそうですね。だから、一回入ったら「それが一番良いものだ」と思っている人が多い。そこが大きな違いですね。 

 営業と言う面から言えば、生保はその人の命に関わるというか、万一の時にその人の家族を守るというところが基本ですから、その人の家庭の中にまで入っていかなければなりません。対して損害保険というのは、車や家など、対象が人ではないので、そこまでの必要がない。ですから、生命保険の営業の

人は損害保険の営業もできる方が多いです。生保の人が損保の代理店をやっている例は結構ありますが、損保の人が生保をやって、成功していると言うのは少ないですね。

 

Q7.保険営業が一般的に敬遠される理由は?

 ひとつは、生保レディの方のようにオフィスに行って飴を配って…なんていう事を自分がやるのかと思ってしまう事ですね。過去のイメージを拭いきれないのだと思います。
 実際の仕事は一般的な生保レディのイメージとは全く違う。もちろん生保レディが良い・悪いと言う事ではないですが、例えば男性が同じ事をするとか、そういう事はありません。一番の仕事は、お客様の今の収入・生活から考えて、このくらいの保障が必要ですよ、と提案する事なんです。
 ですから、保険営業と言うのはコンサルティング営業の最たるものだと思います。物を売る営業だったら、見せて、触ってもらって、良し悪しをわかってもらえるけれど、生命保険は見えない商品ですから。まさにコンサルティングをしていかないと売れないんです。

 もう一点、敬遠される理由としては、他の営業と比べて、断られる場面が多いと言う事が挙げられます。皆さん、ほぼ100%の確率で生命保険に入っていますから、そこへ「生保の営業です。」と言っても、「もう入っているから結構です」と、まず断りから入るのが生命保険なんです。
 普通、敬遠される商品というのは、あまり使われていないものなのですが、生保は逆ですね。皆、必要だと思って既に保険に入っている。実はそこが、営業のやり方によっては大きなマーケットになることがわかってくると、「断られて当たり前」と思えるのですが。

 

Q8.業界の将来性は?

 この業界は絶対になくならないです。商品も保険100年の歴史の中で、終身保険・定期保険・養老保険という名前で、今も商品が出ていますからね。売り方は若干変わっても、商品が大きく変わるなんて事はありませんね。

 なぜなら、生命保険は人間愛から生まれたものだからです。生命保険が生まれたルーツは、部落の中で、お父さんが亡くなった家の子供が生活に困ったときに、「皆から少しずつ物を集めて、その子にあげよう」となったのがスタートなんです。だから絶対になくならないと断言できます。

 これから銀行が保険を売るようになりますから、その時に売り方がどう変化するかは見てみないとわからない部分はありますけれどね。

 

Q9.採用する側から見た、求職者のポイントはどこですか。

 人付き合いがうまいとか、面倒見が良いっていうのが一番ですね。昔は売ったらそれっきり、なんていう事がパターンでしたが、今はそれでは難しいですからね。性格が良い人、という事ではなくて、人付き合いが上手く、マメで、後は打たれ強い人って言うのが良いですね。文章で表現するものであれば、履歴書・職歴書にそんな部分が垣間見えるところがあると良いですね。

 経験の部分で行くと、決して「そうでなければいけない」なんて事ではないのですが、例えば営業の経験者でも、ルート営業よりも開発営業をやっていた人とか、後は大学時代にクラブ活動やっていた人で、いろんな人脈を持っている人などが目に留まりました。

 

 

採用する側から見た、求職者のポイントはどこですか。

Q10.では、求職者側として一番良い転職のタイミングはいつですか。

 この仕事は、「自分の人生を語る」という部分があります。それができるとなると、ある程度の社会人経験を持ったところになります。求人自体を30歳以上などに絞っている場合がありますが、これはやはり、人生経験を積んでいないと、コンサルティング営業をしたときに重みが足りないだろうと言う判断ですね。

 あとは、保険会社そのものを明確に捕らえた上で転職された方が良いですね。年収が高いとかの一面だけではなくて、生保と言うものを自分の本業として考えたときに、面白いなと思えた時が良いと思います。何の仕事にしてもそうですが、大枠でも良いからそこで働く自分をイメージできて、自分がそこでやっていけるという気持ちを持てないと、難しいですよね。

 

Q11.最後に、求職者の方へアドバイスをお願いします。

最後に、求職者の方へアドバイスをお願いします。  生命保険というものは、実は社会貢献度の高い仕事です。家族に万が一の事があった場合に、その家庭を助けられるものは生命保険しかないですから。家族の受ける心の痛手は助けられないですが、経済的な痛手は保険で助けられる。そういう意味では、非常に社会に貢献していると言えます。

  しかしその反面、泥臭い仕事で、奇麗事だけで売れるものではない事も知っていて欲しいですね。断られる事も多いし、家庭の事なども色々聞かなきゃならないですから。最後は「絶対にいい商品だから、私に任せて」といえるように、自分を信頼してもらわなきゃならないですからね。

 この仕事は、とかくハイリスク・ハイリターンに思われがちですが、人によってはそうでもない。私が採用した人の中には、「私にとっては天職ですよ」なんて言う人もいました。ですから、自分をよく分析し、様々な角度から生命保険というものを見て、その上でやると思えた人なら成功できると思います。まずは可能性を探ってみる事ですね。


◆編集部より


 「保険会社への転職」について、今回は、アイ・プロジェクト株式会社の代表取締役 大久保 雅行氏にご登場いただき、実際の職務内容や、採用側から見た転職のポイントをお聞きしました。

 生命保険営業は他の営業よりも厳しく、敬遠されるイメージがありましたが、今回の記事で、実際には厳しい場面ばかりではなく、時に大きな充実感を得られる仕事だと、認識を新たにされた方もいらっしゃるかと思います。

 今回、大久保代表と一対一でお話を伺って、保険会社時代に培われたコンサルティング営業としての経験が、その聞き心地の良い話し方や人当たりに出ていると感じました。営業職を極めたい人には非常に良い経験になる仕事であると言う事を、大久保代表ご本人が証明して下さったようでした。

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TEL:03-6411-0521

E-mail:ookubo@i-proj.net

 
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